>>メッセージ 〜御礼と、2016年度以降の活動に関して〜

日時:2015年5月21日~9月10日 木曜日各週 計15コマ

場所:深江地域

対象:二丈中学校の3年生15名

授業題目

「地域の歴史と文化コース――自分たちのふるさと・二丈の歴史や文化を学び、未来に語り継ごう!!――」

概要

2014年度から始まった歴史と文化コース。
2015年度は二丈地域の深江海岸をテーマに、自分達の故郷の二丈の歴史や文化を学び、地元を自分達の言葉で次の世代に語り継ぐことを目的に、3グループに分かれて調べ学習を行い、文化祭にて発表を実施した。
授業の企画部分から筆者らがメインで携わり、授業のコーディネートやゲストティーチャーと生徒との繋ぎを行い、生徒達の学び合い、探求を深めるサポートを行った。

目的

自分が普段、生活している足元にどんな歴史や文化があるのかを考えて貰う。
同時に、地域に住む人達の想いや過去の人たちの想いを知ること、自分と過去とを繋がる体験や気づきを得ることを通じて記憶の共有・対話をそれぞれ行い、自分のこれからの生き方や自分たちのまちの未来を考えてもらう。

内容

 2015年10月25日の二丈中学校の文化祭にて、歴史と文化コース選択の15名の中学3年生の生徒達の発表にあたり、今回は調べ学習の企画、授業の最初の段階から関わり、発表をするまでのサポートを行った。
二丈地域には古代からの遺跡や古墳、江戸時代の参勤交代の街道や宿場などが連続して地域の資源として残っており、また様々な祭りや伝統がそれぞれの地域で今なお継承され続いている。実際に現地に立つと豊かな風土を感じることができる、学びの環境が多く残っている。
 今回の歴史と文化コースは、深江海岸をテーマに「歴史体験」コース(5人)、「伝承文化」コース(5人)、「未来構想」」コース(5人)の3チームに分かれ、唐津街道を調べるグループと、川祭りのグループと、深江の松林の保全を調べるグループに分かれ調べ学習や取材を行った。
 歴史体験コースは唐津街道を専門に調べている方に深江の宿場街を案内して貰い、適宜、解説や取材を行って貰った。
また、地元の方にも別の授業の時間に宿場街を案内して貰い、戦後の街の様子やかつての地名、お店がどこにあったのかなどを話して貰った。
 川祭りについては糸島市の文化課の職員(二丈中OB)をゲストにお呼びし、福岡の無形文化財になった背景等を含め、川祭りを調べるヒントを話して貰った。
また、実際に小さい頃から川祭りに関わっている地元の方を中学校に招き、ゲストの方の小さい頃と今との違いや、地元で川祭りがどのように伝わってきたのかを話して貰った。
実際に、2015年7月5日には川祭りに赴き、祭りの様子の記録や地元の方への取材を行った。
 深江の松林については、地元で保全活動をしている団体に案内をして貰い、実際の様子を生徒達に確かめて貰い、取り組みをはじめたきっかけや深江の松の現状についての取材を行った。
また、糸島市志摩の北側に位置する幣の浜の松林を保全している、里浜つなぎ隊の代表の渡邉美穂さんをお呼びし、他地域の現状を話して貰い、地元の状態と比較して貰った。
 生徒達には自ら考えて貰えるように、ゲストの方には知っている知識を全て話すのではなく、生徒達が調べ学習をするうえで参考になるような問題提起や学ぶ対象の視野を広げるようなきっかけを話してもらうように生徒達の調べ学習の状況を考慮しながら、ゲストと念入りに打ち合わせを行った。
 また、それぞれのグループでより調べ学習が円滑になるように、ワークシートを準備し、1グループに1人サポートがつけるように工夫し、生徒達の調べ学習がより深く、円滑にできる様な環境を作れるように考慮した。

考察

 生徒達は普段自分たちが当たり前だと考えていた環境からも学ぶ要素がふんだんにあることに気づいた。
 深江地域に住んでいる生徒達は自分達の住む地域がどのような場所なのかより深く知ることができ、小学校区の違う一貴山地域の生徒達は普段、通り過ぎたり、知らなかった場所について知るきっかけとなっていた。
 また、授業の中で、生徒達は身近な地域の素材を使って考えることで、自分の足元から自分の考えを展開することができ、そのきっかけを提供することもできた。
 特に今回は現地に赴き、ゲストの方に取材をするという形で進めたので、生徒達も自分たちで調べたことを起点に、その場で何を聞けばいいのか、何を記録するかを一つ一つを考えていたようである。
 生徒達と授業を進めていくに連れて、地元に対する知識や理解が深まっていたようである。
また、まとめるにあたっても、自分達の発表を聞いてもらう人に、どのような工夫をしたら理解してもらえるか関心を持っているか自ら考え、発表を進めており主体的に進めていたようである。

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